経営理念作成のポイント(7)-分けて考えること、集約して考えること
事業を定義するための第1ステップとして、「顧客の定義」について前回までお話しをしました。さらに顧客を定義する場合の3つの切り口に分けて説明をしました。
事業を定義する時は、このように分けて思考することで取り組み易くなります【分散思考】。しかし、分けて考えるだけでは、最終的に事業定義にまとめることはできません。事業定義にまとめるためには分けたものを絞り込み、集約することが必要になります【集約思考】。
事業を定義するプロセスは「分散思考→集約思考→分散思考→集約思考→・・・」が繰り返されます。
「森を見て木を見る」 ⇔ 「木を見て森を見る」 (分散思考 ⇔ 集約思考)
分散と集約を繰り返しながら事業の定義に形づくられることになります。
分散思考は私たちが普段考える思考方法なので取り組みやすい考え方です。一方、集約思考はあまり考える機会が少なく、なじみが薄い考え方です。
事業を定義する際にはどうしても2つの思考方法が必要です。これらができなければ、事業を定義することができません。そこで今回は【分散思考】と【集約思考】についてお話をします
(Blogでは分かりにくい話になるかもしれませんが、ご了承ください)。
○ ○ ○
1.「分けることは、分かること」
事実を把握するためには、分けることが必要になります。これは、日常、私たちが仕事や生活をする時によく考える思考方法です【分散思考】。
例えば、何か問題が起こった時、私たちはその問題や課題を分解して、起こった原因を見つけようとします。分けることによって理解することができます。また難しい課題に取り組もうとした時は、その課題を細かく分けて取り組みます。
次の図は、売上高から利益までを分解したものです。
例えば、利益が下がった時にこのように分解して考えると、その原因が分かります。
売上高が下がったのか、原材料や仕入れ等の原価が上がったのか、販売や管理に使った経費が増えたのか、分解することによって原因が理解できます。
それらの科目をさらに分解すると、より細かい原因分析ができます。
また、顧客別や製品別など分ける切り口を変えると、また異なったとらえ方ができます。
分けることは、分かること
「象を食べるには一口ずつ」(エレファント・テクニック)という例え話があります。
「象をどうやって食べますか?」という問いに対して、
その答えは、「一口ずつ切って食べる」です。
どんなに大きな象であっても、細かく分けて食べれば食べられる。
(現実には象を食べないが・・・)
どんなに大きな問題であっても部分に分解すれば理解できる、どんなに大きな課題であっても部分に分ければ取り組める、といった意味です。
2.「選ぶことは、決めること」
問題や課題がどんなに大きくても、それを部分に分けると理解しやすくなります【分散思考】。私たちが日常よく考える思考方法です。
しかし一方、部分に分けることによって全体が見えなくなります。部分に分けて考えることも大切ですが、事業経営では「全体から部分を見ること」も重要です。
先ほど象の例え話を出したので、もう一つ象の例え話をします。
「群盲象を評す」ということわざがあります。
6人の盲人が象に触れて、「それが何か」と訊ねた。
足を触った盲人は「柱のようです」と答え、
尾を触った盲人は「綱のようです」と答え、
鼻を触った盲人は「木の枝のようです」と答え、
耳を触った盲人は「扇のようです」と答え、
腹を触った盲人は「壁のようです」と答え、
牙を触った盲人は「パイプのようです」と答えた。
すべて正しく象の特徴をとらえている。しかし、それは象の全体像ではない。
いくら部分を多く集めても全体から見なければ本当の姿は見えない。
細かく分けて部分を理解した次は、全体を見ることが必要です。
そのためには、「全体を集約すること」が大切です【集約思考】。
集約するプロセスは、選択するプロセスでもあります。
全体を見て、多くのものから不要なもの、重要でないものを削り、無駄を省いていきます。最終的に選ばれ残るものは、コア(中核)になるもの、本当に大切なものだけです。
このような思考方法は、日常、私たちにあまり使わない考え方です。多くの人が不得意とする思考です。そのため。分散思考は身につけやすいが、集約思考は身につけにくい考え方です。
この思考が求められているのは、重要な経営判断が求められる経営トップや役員などの経営陣です。
経営陣はすべての情報を得られる状況で、経営の重要事項の判断ができるわけではない。不確かな中で事業の行く末を左右する選択を迫られることになる。選んだものが上手くいけばよいが、失敗する可能性もある。選択を間違えると組織の存続を危うくする場合もあり得る。(残念なことなのですが、長年経営コンサルに携わっていると、経営判断を間違えて会社が無くなったのを目の前にする時があります)
選ぶことは、決めること(選択=決断)
進むべきか、進まざるべきか
右に行くべきか、左に行くべきか
事業を定義するプロセスは、「分散思考→集約思考→分散思考→集約思考→・・・」が繰り返しながら事業の定義へと昇華されます。
『まず事実を把握せよ。しかる後に好きなように解釈するが良い』(マーク・トウェイン)
『どんな決断のときも、あなたにできる最善のことは正しい決断、次に最善なのは誤った決断、最悪なのは、何も決断しないことだ』(アメリカ合衆国第26代大統領: セオドア・ルーズベルト)
経営理念作成のポイント(7) by TEAM KAMATAMA

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事業を定義する時は、このように分けて思考することで取り組み易くなります【分散思考】。しかし、分けて考えるだけでは、最終的に事業定義にまとめることはできません。事業定義にまとめるためには分けたものを絞り込み、集約することが必要になります【集約思考】。
事業を定義するプロセスは「分散思考→集約思考→分散思考→集約思考→・・・」が繰り返されます。
「森を見て木を見る」 ⇔ 「木を見て森を見る」 (分散思考 ⇔ 集約思考)
分散と集約を繰り返しながら事業の定義に形づくられることになります。
分散思考は私たちが普段考える思考方法なので取り組みやすい考え方です。一方、集約思考はあまり考える機会が少なく、なじみが薄い考え方です。
事業を定義する際にはどうしても2つの思考方法が必要です。これらができなければ、事業を定義することができません。そこで今回は【分散思考】と【集約思考】についてお話をします
(Blogでは分かりにくい話になるかもしれませんが、ご了承ください)。
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1.「分けることは、分かること」
事実を把握するためには、分けることが必要になります。これは、日常、私たちが仕事や生活をする時によく考える思考方法です【分散思考】。
例えば、何か問題が起こった時、私たちはその問題や課題を分解して、起こった原因を見つけようとします。分けることによって理解することができます。また難しい課題に取り組もうとした時は、その課題を細かく分けて取り組みます。
次の図は、売上高から利益までを分解したものです。
例えば、利益が下がった時にこのように分解して考えると、その原因が分かります。
売上高が下がったのか、原材料や仕入れ等の原価が上がったのか、販売や管理に使った経費が増えたのか、分解することによって原因が理解できます。
それらの科目をさらに分解すると、より細かい原因分析ができます。
また、顧客別や製品別など分ける切り口を変えると、また異なったとらえ方ができます。
分けることは、分かること
「象を食べるには一口ずつ」(エレファント・テクニック)という例え話があります。
「象をどうやって食べますか?」という問いに対して、
その答えは、「一口ずつ切って食べる」です。
どんなに大きな象であっても、細かく分けて食べれば食べられる。
(現実には象を食べないが・・・)
どんなに大きな問題であっても部分に分解すれば理解できる、どんなに大きな課題であっても部分に分ければ取り組める、といった意味です。
2.「選ぶことは、決めること」
問題や課題がどんなに大きくても、それを部分に分けると理解しやすくなります【分散思考】。私たちが日常よく考える思考方法です。
しかし一方、部分に分けることによって全体が見えなくなります。部分に分けて考えることも大切ですが、事業経営では「全体から部分を見ること」も重要です。
先ほど象の例え話を出したので、もう一つ象の例え話をします。
「群盲象を評す」ということわざがあります。
6人の盲人が象に触れて、「それが何か」と訊ねた。
足を触った盲人は「柱のようです」と答え、
尾を触った盲人は「綱のようです」と答え、
鼻を触った盲人は「木の枝のようです」と答え、
耳を触った盲人は「扇のようです」と答え、
腹を触った盲人は「壁のようです」と答え、
牙を触った盲人は「パイプのようです」と答えた。
すべて正しく象の特徴をとらえている。しかし、それは象の全体像ではない。
いくら部分を多く集めても全体から見なければ本当の姿は見えない。
細かく分けて部分を理解した次は、全体を見ることが必要です。
そのためには、「全体を集約すること」が大切です【集約思考】。
集約するプロセスは、選択するプロセスでもあります。
全体を見て、多くのものから不要なもの、重要でないものを削り、無駄を省いていきます。最終的に選ばれ残るものは、コア(中核)になるもの、本当に大切なものだけです。
このような思考方法は、日常、私たちにあまり使わない考え方です。多くの人が不得意とする思考です。そのため。分散思考は身につけやすいが、集約思考は身につけにくい考え方です。
この思考が求められているのは、重要な経営判断が求められる経営トップや役員などの経営陣です。
経営陣はすべての情報を得られる状況で、経営の重要事項の判断ができるわけではない。不確かな中で事業の行く末を左右する選択を迫られることになる。選んだものが上手くいけばよいが、失敗する可能性もある。選択を間違えると組織の存続を危うくする場合もあり得る。(残念なことなのですが、長年経営コンサルに携わっていると、経営判断を間違えて会社が無くなったのを目の前にする時があります)
選ぶことは、決めること(選択=決断)
進むべきか、進まざるべきか
右に行くべきか、左に行くべきか
事業を定義するプロセスは、「分散思考→集約思考→分散思考→集約思考→・・・」が繰り返しながら事業の定義へと昇華されます。
『まず事実を把握せよ。しかる後に好きなように解釈するが良い』(マーク・トウェイン)
『どんな決断のときも、あなたにできる最善のことは正しい決断、次に最善なのは誤った決断、最悪なのは、何も決断しないことだ』(アメリカ合衆国第26代大統領: セオドア・ルーズベルト)
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