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事業経営の原点は『うどん屋』にあり(第2話)1/2

なぜ、香川県でうどんの食文化が発達したのか? 

さぬきうどんのルーツは様々な説がある。真言宗の開祖である空海が唐から製麺技術を伝えたのがはじまり、
また初代高松藩主の松平頼重公が菩提寺の門前に素麺職人を集めて奨励したのがはじまり、など諸説ある。
どの説もそれらしい話ではあるが、確たる証拠はないようです。


松平家菩提寺
松平家の菩提寺

境内のうどん屋
お寺の境内にあるうどん屋
「坦々つけうどん」がお勧めです。1度で3回のおいしさが味わえます。
うどんの長さが他のうどん屋より長い気がする。測ったことはないが・・・。

うどんのルーツははっきりしないようだが、香川県が「うどん王国」になった背景は、
その気候や風土にあったと思います。

さぬきうどんには、麺の主原料である「小麦」と、「ダシ」の主原料である「いりこ」は欠かせません。
これらの原料が手に入りやすい土地であったことが、「うどん王国さぬき」を作ったのだと思います。


1.米作に向かない気候である

世界の食の文化圏を見ると、米食文化圏 と 麦食文化圏 の2つに分けられます。
米を作ることができる土地では当然、米が主食となります。一方、米の取れない土地では麦が作られます。
米は米粒としてそのまま食べるに対して、麦はそのままでは食べられず、粉にして加工されます。
その結果、麦が取れる土地ではパンか麺を主食とした食文化(麦食文化)圏になります。

そして、米食文化と麦食文化に分かれる最大の要因は 『 水 』 だと思います。
米と麦をそれぞれ1kg作るのに必要な水の量を比較すると、
小麦  ⇒ 1150リットル
米    ⇒ 2656リットル

  水

お米は小麦を作るのと比べて2倍以上の水が必要
です。

つまり、その土地の「水」の量(降水量) が、主食となる穀物を決め、
その穀物が その地域の食文化を形成 します。


そう考えてみると、香川県は昔らか水不足に悩まされてきた土地です。

年間の降水量は全国平均の2/3程度で、しかも川が短くて流れが急なので、降った雨もすぐに海へ流れてしまいます。
人口一人当たりの水資源賦存量では、全国平均のわずか40%以下です。
そのため、県内には約14,600個のため池があります(全国3位)。
しかし、今でも渇水に悩まされ、水道水は高知県の早明浦(さめうら)ダムに頼っている状況です。

つまり、香川県は降雨量の少ない土地であり、

多くの水を必要とする米作に向いていなかった

米よりも小麦の栽培に適していた。
それらのことが、この土地にうどんという麦食文化を大きく発展させたといえるでしょう。

小麦畑


2.おいしいダシとなる良質の「いりこ」が取れる

もう一つは、うどんのダシです。このダシは瀬戸内海でとれる良質な煮干イワシ「いりこ」からとられます。
中でも香川県の伊吹島では昔から 最高級の「いりこ」 が取れます。
香川県の「いりこ」の生産量は年間約2700トンで、全国第5位を誇っています(2009年)
いりこ

余談ですが、いりこに限らず
「同じ魚介類でも他の地域で食べるものよりも、なぜ瀬戸内海でとれたものがこんなに旨みがあるのか?」
と私も不思議に感じています。


香川県は
 良質の小麦と良質のダシの交差点 であり、

うどん食文化が生まれる気候や風土がそろった地域であったといえるでしょう。

「うどん王国」生まれるべくして、生まれたのではないか、と思います。

「事業経営の原点は『うどん屋』にあり」(第2話)1/2 by TEAM KAMATAMA ・・・ つづく


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