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経営方針発表会を実施する意味・効果(5)

5.経営理念は常に手をかけることが大切

経営理念は作られた瞬間から消滅に向かっている。一旦作られた経営理念、社是社訓はそのまま放ったらかしにしておくと、時間の経過とともにその思いは消えてなくなってしまう。事業の存在価値、原点である思いを振り返る機会が必要になります。その一つが経営方針発表会です。

これは創業40年近く経た会社で、幹部を集めて自社の存在価値を考える取り組み(コンサルティング)をした時の冗談のような出来事です。

私 : 「仕事をする上で、行動や考えの基準とる経営理念のようなものは会社の中にありますか?」
幹部たち:「うちの会社には、そのようなものはありませんよ。」、「見たことがないなぁ。」
私 : 「そうですか。先ほど食堂で皆と一緒に食事をした時に、社是が壁に掲げられているのを見ましたよ。」
幹部たち:「そういえば、自分が会社に入社した時から貼ってあったな。」

時の経過とともに経営理念は心の中から消えてなくなってしまう。残るのは壁に貼られた文字であり、朝礼で儀礼的に行う唱和である。目に見えてはいても誰も見ていないものになり、朝の発声練習になってしまう。

経営理念や社是、社訓を掲げているだけ、唱和しているだけでは意味がない。それを現場の社員一人一人が自覚し、普段の行動や判断と結びつくことが大切です。そのためには、経営理念は作って終わりにするのでは、継続して自社の経営理念について自覚する機会を持ち、組織に浸透させることが大切です。その機会の一つが経営方針発表会です。

経営理念は愛情と同じです。放っておいては消えてしまう。常に手をかけることが必要です。


『この世界で継続ほど価値のあるものはない。才能は違う。天才も違う。教育も違う。信念と継続だけが全能である』(レイ・クロック、マクドナルドコーポレーションの創業者)

『職権というのは一番下のレベルにいる人の手にあるべきだ。店に一番近い立場にいる人間が、本部に指示を仰がずとも決断できるべきだ』
(レイ・クロック)
レイ・クロック


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経営方針発表会を実施する意味・効果(4)

4.経営の意思を伝える強力な手段

経営方針発表会は経営者が事業に対する意思を表明する場です。

経営者と社員では、見る視点が異なり、見方・考え方が違います。同じ言葉を聞き、同じ物を見ても、同じように考え、行動するとは限りません。トップ(経営者)の思いや考えは、社員になかなか伝わりません。同じようなことを繰り返し、社員がしつこいと感じるくらい言っても十分ではありません。方針発表会は会社の方向性(経営ビジョン、年度計画など)や事業に対する考え方(経営理念、行動指針など)を伝える絶好の機会です。

経営に対する思いや方向を社内に伝えるだけでなく、場合によっては社外関係者に伝えることも大切です。取引銀行や社外の協力会社などを来賓として迎え、今後の事業の方向と意思を伝えます。今後の方向性を社外関係者に伝えることで、良好な取引関係づくりができます。またメリットはそれだけでなく、社外関係者に発表することで、方針を発表する人や運営する人に良い緊張感が生まれます。

経営方針発表会は、社内外に自社の経営の意思を伝える強力な手段です。



『愚人の経営もいけないが、賢人の経営もいけない。衆知による経営でなければならないということだ』
(松下幸之助)


『それを夢みることができるならば、あなたはそれを実現できる』
(ウォルト・ディズニー)
ウォルト・ディズニー


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経営方針発表会を実施する意味・効果(3)

3.仕事(事業)の原点を確認する

会社の業績が悪化したり不祥事が起こると、「原点に帰れ」、「原点回帰」とよく言われます。

「原点に帰る」とは創業時の精神に立ち戻ることです。

事業が創業された時は、扱う商品やサービスが少なく社員も少ないため、事業や仕事の意味が分かりやすく、理解できていました。また一人が行う仕事の範囲が広いため、意識しなくても全社的な視点で仕事をこなしていました。自分たちが
「何のために事業をやっているのか」
「誰のために仕事をやっているのか」

を皆がよく理解できていました。

創業時は仕事の意義や理念、使命を説明しなくても、社員はそれを実感をしながら仕事に取り組むことができます。

「原点に帰れ」とは「自分たちの事業や仕事の意義を見つめ直しなさい」、「経営理念や経営哲学を確認しなさい」ということです。


経営方針発表会が大切な理由の一つは、自分たちの「仕事(事業)の原点を確認する」ことです。

事業が大きくなると、商品や事業の幅が拡大し、働く人も多くなります。そうなると、業務を分業化し、組織を部門別(職種別)に分けていくことになります。分けることで、複雑な業務や膨大な業務を効率的に処理することができます。しかし一方で、分けることのデメリットも出てきます。

シンプルであったものが複雑になり、見えていたものが見えなくなります。

規模が小さな時には、意識しなくても事業の意義や使命を感じながら仕事に取り組んでいました。しかし規模の拡大とともに、それが難しくなります。

意識して本質的なことを考え、振り返る機会をつくることが大切
になります。

それは業績の悪化や不祥事の発生した時に行うことでありません。定期的に行うことが必要です。それが、年度初めに行う経営方針発表会です。

経営方針発表会は、1年に1回、社員全員で創業時の原点である自分たちがやっている仕事(事業)の意義や使命を見つめ直す重要な機会
といえます。


経営方針発表会の様子
経営方針発表会の様子




『焦点がはっきりした明確な共通の使命だけが、組織を一本化し、成果を上げさせる。明確な使命がなければ、直ちに組織は組織としての価値と信頼を失う』(ピーター・F・ドラッカー)


『経営には一貫した哲学がいるんです。自分がこうだと思ったら、世の中がどう動こうと誰がなんと言おうと、それを堅持していかなければならない』(日本マクドナルド、日本トイザらスの創業者:藤田 田
藤田 田



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経営方針発表会を実施する意味・効果(2)

2.心を改め、新しい流れをつくる

前回は方針発表会を行う意味は、「組織と個人のベクトル合わせ」であることをお話ししました。その他には、経営方針発表会を行うことで「心を改め、新しい流れをつくる」効果があります。

私たちは年末の年の瀬が近づくと、大掃除やあいさつ回りをして忙しく動き回ります。新年を迎える準備をします。そして元日を迎えると、誰もが新たな気持ちになります。「経営方針発表会」も同じような意味があります。

よく考えてみると、大晦日(12/31)と元日(1/1)のたった1日で、大きく季節や気候が変わるわけではありません。
変わるのは私たちの気持ちです。新年を祝うことは、私たちが古くから日常生活に取り入れ、大事にしている習慣です。元日があるから去年(過去)にケジメをつけ、新たな気持ちで新年をスタートすることができます。

事業経営において、この元日にあたるのが「経営方針発表会」です。
それを行うことで、過去の事業活動のケジメがつき、新たな目標を持って新年度をスタートできます


私たちの日常の多くの仕事は、同じことが繰り返されるルーチンな仕事です。
特に事業が順調な会社ほど、仕事に変化がなく退屈です。仕事が標準化され、問題が発生した時の対応が事前に準備され、問題対応に追われることがなく、仕事はスムーズに進んでいきます。問題処理にバタバタすることが少ない。
しかし人は変化がなく同じ仕事を続けると、マンネリになる。独創性や新鮮さを失っていく。
そして独創性や新鮮さを失った会社は変化力を失い、経営環境の変化に適応できず、やがて衰退していく。

そうならないためには、どこかでケジメ(区切り)をつけ、新たな流れを作ることが大切です。

昔の事業家たちも同じように考えていました。江戸時代の商人は商売をする上で、「始末・算用・才覚」の3つを大切にしていたといわれています。
「始末」とは、文字通り、物事の始めと終わりです。「始末する」とは、商売(事業活動)の始めと終わりにケジメをつけ、ピタリと合うように帳尻を合わせることです。

過去にきちんと始末(ケジメ)をつけることで、新たなスタートができます。



「経営方針発表会」で、昨年度(過去)の事業活動に「始末」をつけ、心を改め新しい流れをつくりましょう!



『水の流れも澱めば腐る。経営も日に日に新しい流れがなくてはいけない。そうでないと、衰え、進歩が止まってしまう』(松下幸之助)


『新しい門出をする者には新しい道がひらける』相田みつを
相田みつを




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経営方針発表会を実施する意味・効果(1)

4月は街に新入社員や新入生が見られ、多くの人にとって新たなスタートの時期です。それは会社にとっても同じで、多くの会社で新たな年度がスタートします。新年度の方針発表が行われ、新たな気持ちで年を迎えます。
経営コンサルティングをしていると、会社の経営方針発表会に参加する(あるいは発表会の開催指導する)機会が多くあります。
今回は「経営方針発表会」を行う意味・効果についてお話します。(方針やビジョンの策定についてはこれまでに話をしましたので、今回は発表会のみです)


「経営方針発表会を実施する意味・効果」

1.組織と個人のベクトル合わせ

方針発表会を実施する最も大きな意味は、「組織と個人のベクトル合わせ」です。会社では複数の人が集まり、集団となって、共通の目的に向けて仕事に取り組みます。どんなに優れた経営戦略や方針を描いても、それらを活かすのは人です。皆が同一方向を向いて、共有意識を持って仕事に取り組むことが大切です。
「組織(会社)の向かう方向」と、「組織メンバー(個人)が向かう方向」が一致していることです。

「組織の方向」とは:組織の事業理念、経営ビジョン・戦略、経営方針(計画)などのことです。
「個人の方向」とは:個人の価値観(人生観・仕事観)、将来の人生プラン、キャリアプランなどのことです。


個人と組織(会社)のベクトルが合っているほど、高い業績(成果)を出すことができます。

それをわかりやすく表すと、次のような図になります。

組織と個人のベクトル合わせ 
・①の図:個人と会社のベクトル合わせが普通 ⇒ 成果、結果が普通
・②の図:個人と会社のベクトル合わせが高い ⇒ 成果、結果が高い
・③の図:個人と会社のベクトル合わせが低い ⇒ 成果、結果が低い
・④の図:個人と会社のベクトル合わせが逆方向 ⇒ 成果、結果がマイナス



個人と組織(会社)のベクトル合わせが高いと成果、結果も高くなり(②の図)、ベクトル合わせが低いと成果、結果も低くなります(③の図)。
ベクトルの方向が間違えているとマイナスになります(④の図)。ミス、クレームなどの問題が続発し、ずっと業績悪化(赤字)が続いている会社や職場がそうです。このような会社や職場では、皆で協力しようとする意識が薄く、お互いいがみ合い、個人と組織のベクトルが合っていません。

方針発表会は「組織と個人のベクトル合わせ」をするための、もっとも有効な手段の一つです。上手く行うと、それにかけた手間や費用以上の大きな効果があります。
事業経営にとって、最も重要な年間行事が、この「経営方針発表会」です。
しかしそれを有効に上手く活用している会社もあれば、そうでない会社もあります。

次回以降も「経営方針発表会」の効果と、それを上手く活用している事例をお話しします。



『あなたの夢は何か、あなたの目的とするものは何か、それさえしっかり持っているならば、必ずや道は開かれるだろう』マハトマ・ガンジー
マハトマ・ガンジー 


『組織の存在理由はただ一つ、一人一人では達成できない目標を協力して達成することである』ロバート・ウォーターマン




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